イスラエルからリモートで学内向けPythonイベントを開催しました

  • 2020年3月13日
  • 2020年3月13日
  • python

今年一月に大学でプログラミング初心者を対象にPythonイベントを開催したのでまとめたいと思います。私はこのイベントに留学先のイスラエルからリモートで携わり、イベント企画、教材作成、Pythonハンズオンを中心に担当しました。こちらがイスラエルのテクノロジー事情について解説したスライドです!

プログラミングイベント開催の難しさ

学内の情報センターの方にプログラミングイベントを開催の依頼をいただいて快諾したものの、プログラミングイベントの企画・開催に当たって主に二つの課題がありました。

  1. 90分の限られたイベント時間でどれだけプログラミングの面白さ、魅力を伝えるか
  2. 留学先から遠隔でイベント開催が果たしてできるのか

1.90分の限られたイベント時間でどれだけプログラミングの面白さ、魅力を伝えるか

初心者向けのプログラミングイベントを企画する中で一番意識したのは限られた時間の中でプログラミングの面白さ、魅力を伝えられるかどうかという点です。せっかく、プログラミングイベントを開催するのに退屈な勉強会にはしたくありません。私は情報系の授業を履修したことないので、具体的なカリキュラムの中身は把握していませんが、多くの学生が「情報系の科目は面白くないし、退屈だ」という感想を持っています。情報系の授業に対してマイナスな感想を持ってしまう理由は二つあると考えています。

  1. 文法だけを教える
  2. 実用的ではない

一つ目の「1.文法だけを教える」。プログラミング言語を学ぶ上で基礎文法を理解することは大事です。しかし、「基礎文法を学んだいいけど、文法が実際のアプリやWebサイトでどのように活用されるかイメージが湧かない。」という学生が多いです。それはなぜかと言うと、文法を使う意義の説明が不足しているからだと考えています。for文、if文を学んだはいいけど、使い道が分からないのでプログラミング学習を辞めてしまう。これはとても勿体無いなと思います。二つ目の「実用的ではない」。これは「1.文法だけを教える」と繋がってくるのですが、基礎文法を授業で学んだはいいけど、Webやアプリ開発に応用出来ないままカリキュラムが終了してしまうのは非常に残念。時間的に授業内でフレームワークを使ってWebサイト開発するのは難しくても、基礎文法を応用できるようWeb・アプリ開発に必要な知識(フレームワーク,DBなど)の解説、つまり情報系の授業を起点としてアプリを開発してリリースするまでのロードマップをしっかり説明することが大事なのではないかと思います。Web開発は奥が深くて裏側ではこれだけの技術が使われているんだよと解説して授業を終えるだけでプログラミングに対してワクワク感を感じられる気がします。なので、今回のイベントではプログラミングの面白さや魅力を伝えて参加者に対してわくわく感を持ってもらえるように工夫してイベント企画する必要がありました。

2.留学先から遠隔でスムーズにイベントに携われるのか

情報センターからイベント開催の依頼をいただいた段階で遠隔でイベントに携わることを前提にイベント構成を考えていました。これは「今、留学中だからイベント開催は難しいね」ではなく「イスラエルから遠隔でやればキャッチーで人集まるんじゃね」とか「プログラミングだけじゃなくて海外の魅力も発信できる」など基本的に遠隔でイベントに携わることに対してポジティブに捉えていました。一方で遠隔でイベントに携わるに当たり、スムーズにイベントを進行できるか懸念がありました。音声が途切れたり、タイムラグが生じたり、接続がスムーズに出来なかった場合、イベント時間の延長、最悪中止になるケースも考えられます。その状況を避けるために入念に準備、リハーサルをする必要がありました。

90分のイベント時間でプログラミングの面白さ、魅力を伝えるために

では、続いて90分のイベント時間でプログラミングの面白さ、魅力を伝えるために工夫した点を記述していきます。

イベント構成

イベント構成ですが、2部に分けて第一部では前半はプログラミングの概要、学習方法、学習ツールの紹介。第二部ではPythonのハンズオンを実施することにしました。

第一部(30分)

  1. 自己紹介
  2. KOMANEKOについて
  3. 実はエンジニアは文系の方が向いている
  4. Sler業界とWeb業界の違い
  5. フロントエンドとバックエンドの違い
  6. プログラミング言語の特徴
  7. プログラミングの学習方法について
  8. ある程度スキルが身についたあとはどうするべきか
  9. トビタテ留学JAPANについて

第二部

  1. ハンズオンPython入門編

第一部でプログラミングの概要、学習方法、学習ツールの紹介をしたのはプログラミング学習、エンジニアキャリアの全体像を浅く広く知って貰いたいと思ったからです。多くの初心者はプログラミング言語の特徴や勉強方法、Web開発ができるまでのロードマップを把握していない状態でプログラミング学習を始める方が多いです。しかし、全体像を掴まずにプログラミング学習を初めてしまうと次に何を学べばいいのか分からなくなり挫折する可能性が高くなります。それを回避するためにプログラミング言語の特徴、実際にその言語を採用している企業、プログラミング学習のロードマップを説明することで、イベント参加後にプログラミング学習の糸口を作ってあげることが出来ると考えました。

文法を使う意義を丁寧に説明

第二部ではPythonハンズオンと題してPythonの基礎文法(変数、for文、if文、リストなど)を中心にイベントを進行することにしました。ハンズオンの教材作成をする際に気をつけたことは文法を教えた後に必ず文法を使う意義を簡単に分かりやすく解説するという点です。例えば、for文をハンズオンでやった後に、for文を使う意義を次のように説明します。「大学のシラバス(授業情報)を一覧で表示させたい時に一つ一つ記述していくのは非効率だし、現実的ではありません。そこでFor文を使ってあげることによって一回で大学のシラバス情報を一覧で表示させる出来ます」。この説明をするだけでfor文を実際に使うイメージが湧いてきます。そのため、各文法を教えた後に必ず文法を使う意義を紹介するように工夫しました。その他にもprogateを参考に文法のイメージが湧きやすいように図を使って文法の解説をするように工夫をしました。

留学先から遠隔でイベントに携わるために

続いて留学先から遠隔でスムーズにイベント開催するために工夫した点についてです。

WherebyとPaiza cloudを採用

Video Meetings, Video Conferencing and Screen Sharing

Get started Whereby is a flexible tool providing you with video meetings in the browser – no downloads & no logins for guests Ranked #1 easiest to use on G2 Crowd Your own unique domain for your business.

ブラウザでプログラミング・実行ができる「オンライン実行環境」| paiza.IO

Online PHP Editor – Online PHP Compiler – Online PHP Editor – Online PHP IDE – PHP Coding Online – Online PHP Runner – Share Save PHP Program online

まずは遠隔で画面共有とPythonハンズオンを実施出来るようツールの選定をしました。ビデオ通話に関して言えばwherebyとスカイプが一番安定している気がします。個人的な意見としてLINE,Messsanger,Slackは時々接続が不安定だったりします。今回、画面共有してPythonハンズオンをするので最終的にはWherebyを選択しました。続いてPythonの環境についてです。参加者によってOSが(windoes,mac)違うのでpythonをインストールするところから始めると時間がかかってしまうので、参加者全員がPythonがインストールされて、OSやPCのスペックに影響することなくPythonコードを実行出来る開発ツールを調べたところPaiza cloudがヒットしました。これならURLだけを用意すれば誰でもすぐにPythonプログラムを実行出来る環境が整うので、開発環境の構築に時間をかける必要がありません。

入念な事前準備とリハーサル

スムーズにイベント進行するために大事になのがやはり事前準備とリハーサルです。時間をかけずに接続や画面共有が出来るか、質問時間や参加者がつまづいた時の時間をなども考慮して90分以内にイベントを終わらせる必要があります。また、基本的にオンラインのみでミーティングや事前準備をしたので、全員がイベントの流れを正確に共有するようSlackなどを使ってこまめに連絡を取り合うようにしました。

イベント当日

イベント開催日が大学のテスト期間と被っているため、参加者の確保に苦戦するのではないかと予想していました。しかし、プログラミングやITに興味を持っている学生が多いこともあり26名が参加しました。多いか少ないかは分かりませんが、情報センターが開催したイベントの中では最多の参加者だそうです。第一部はスムーズでしたが、Pythonハンズオンでは一つ一つの項目に予想以上の時間がかかったため最後の方は駆け足で進行してしまったのが今回のイベントの反省点です。イベントのアンケート結果は以下の通りでほぼ全員の参加者がイベント内容に満足している一方で進行スピードに関しては少し低い評価をいただきました。

イベントを終えて

こちらが当日使用したスライドです。

アンケート結果をいただいてほとんどの方がイベント内容に満足いただけたのは良かったです。今回のイベントのゴールでもある「プログラミングの面白さ、魅力」を参加者に対して伝えることができたんじゃないかなと思います。また、参加者にとってプログラミング学習を始めるきっかけになれば非常に嬉しいです。私自身、三月下旬に日本に帰国予定なので、大学を復学後、機会があればまた初心者向けのプログラミングイベントを開催したいと思います。今回のイベントでご協力いただいた駒澤大学情報センター「PAOPAL」、駒澤大学生向けサークル・イベントまとめサイト「KOMANEKO」メンバーには感謝しています。ありがとうございました。

>文系エンジニア大学生の技術ブログ

文系エンジニア大学生の技術ブログ

社会が多様化していく中、大学生の学生生活も多様であるべきと考えています。主にエンジニア向けにITやプログラミングなどの技術系と大学生向けに休学、留学、海外生活、トビタテ留学、長期インターンに関する記事を書いています。